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私は、眉サロンや脱毛ができる複合の美容サロンを経営しています。
この記事では、普段からお客様と関わることの多い、私の体験談と一流ブランドのインサイトと活用例をご紹介したいと思います。
最後まで読んでいいただくことで、マーケティングにおけるインサイトの理解が深くなるでしょう。
マーケティングにおけるインサイトとは
消費者の購買行動の根拠や動機
そして通常の根拠や動機とは異なり『消費者自身まだ気がついていない』ことが大きなポイントです。
インサイトを深掘りして、消費者がまだ気づいていない欲求に応えることで、競合他社との差別化を図ることができます。
インサイトとニーズの違い
インサイトと混同して考えられがちなニーズについて説明をしておきます。
ニーズは「顕在的ニーズ」と「潜在的ニーズ」に分けられます。
顕在ニーズ:もうすでに見えている需要
潜在ニーズ:まだ見えていない需要
比較的発見がしやすいため、もうすでに商品へ落とし込まれていることが多いです。
潜在ニーズとインサイトの違いは
潜在ニーズ:顧客にインタビューやアンケートをすると分かる
インサイト:本人も気がついていないので分からない
ここが大きなポイントなのでしっかり覚えておきましょう。
インサイトが注目される理由2つ
メリット① 他社との差別化
消費者のニーズが多様化にともない、商品やサービスが増えたことで消費者は迷うことも増えています。
インサイトを活用し他社と差別化を図り、自社の商品やサービスの良さを感じて選んでもらう確率を上げることが可能です。
メリット② 優良顧客作りに貢献
他社とは違った視点から提供するサービスは、顧客に新たな体験を提供することが可能になります。
顧客体験はカスタマーエクスペリエンス(CX)と呼ばれ、サービスや購入した時に感じる満足感や感覚的な価値の指標です。
インサイトを活用して、新たな顧客体験を提供することで、感情的な価値を感じた顧客はさらにファンになり、優良顧客へ変わっていくでしょう。
インサイトの見つけ方
1. 顧客データの収集
① 行動データ
購買履歴、ウェブサイトの閲覧履歴、サロンでの利用履歴など、顧客がどのように行動しているかを分析します。
② 口コミ
アンケート、レビュー、SNSのコメントなどから顧客の感想や意見を集めます。
③インタビュー
顧客と直接対話し、彼らの悩みや望みについて深く掘り下げることで、表面に現れない真のニーズを探ります。
2. ペインポイントの特定
① 問題の発見
顧客が現在直面している問題や不満をリストアップします。
これには、顧客が直接述べたことや、データから明らかになったことが含まれます。
② 背景を理解する
その問題がなぜ生じているのか、その背景にある要因を理解します。
例えば
『時間がない、選択肢が多すぎる、信頼できる情報が不足している』などです。
3. 顧客の深層心理の探求
① 共感マップ
顧客が何を感じ、考え、言い、行動しているかを視覚的に整理します。
これにより、顧客の心の中で何が起こっているのかを把握できます。
②「5回のなぜ」分析
表面的な問題に対して「なぜ」を5回繰り返して問いかけることで、根本的な原因や潜在的な欲求を明らかにします。
③ 心理的なニーズ
顧客の行動の背後にある感情や心理的なニーズを探ります。
例えば、『安心感を求めている、自己表現をしたい、他者から認められたい』などです。
4. インサイトの仮説化
① 仮説の立案
収集したデータや分析結果に基づいて、顧客の潜在的なインサイトを仮説として立てます。
「顧客はXのためにYを求めているのではないか」という形で整理します。
② 仮説の検証
仮説を基に、さらなる調査や顧客との対話を通じて、その仮説が正しいかどうかを検証します。
場合によっては、小規模なテストを行い、結果を観察します。
5. インサイトの確定と活用
① インサイトの確認
仮説が正しいと確認された場合、それをインサイトとして確定します。これにより、顧客の深層心理や隠れた欲求を理解した上で、マーケティング戦略やサービス改善に活用できます。
② 戦略の策定
確定したインサイトに基づいて、どのように商品やサービスを提供すべきか、どのようなコミュニケーションを取るべきかを計画します。
6. 継続的な評価とフィードバック
① 結果のモニタリング
インサイトに基づいた施策を実施した後、その効果をモニタリングし、顧客の反応を評価します。
② フィードバックの収集
継続的に顧客からのフィードバックを収集し、新たなインサイトの発見や既存インサイトの修正を行います。
インサイトの発見は、一度だけの作業ではなく、継続的に顧客との関係を深め、彼らの変化するニーズや心理を理解し続けることが重要です。
【体験談】私が美容サロンで感じたインサイト
【インサイト】
顧客の来店理由は、外見的なコンプレックス改善を求めていますが、その先には必ず人からの評価(承認欲求)があります。
そして人生を豊かにしたい欲求がある。
【成功事例】
顧客同士が繋がれる食事会を企画。
家族、友人、職場以外の人との繋がりができて、新しい人脈の形成によって自己肯定感がアップ。
顧客のさらに自分を磨きたい欲求が大きくなり、他サービスの契約やリピート率の向上が見られた。
【5つの事例から探る】インサイトと活用方法
美容におけるインサイトを活用した成功事例を5つ紹介します。
これらの事例では、顧客の深層心理や隠れた欲求を理解し、それを満たすための戦略が効果的に実行されています。
1. エスティローダーの「美容カウンセリング」サービス
【インサイト】
顧客は、製品を購入する前に自分に本当に合ったスキンケアを見つけたいと考えています。
その一方で「プロフェッショナルなアドバイスを得ることで、自分が特別扱いされている」という感覚を求めています。
【成功事例】
エスティローダーは美容カウンセリングサービスを提供し、専門家が顧客一人ひとりに最適な製品を提案しています。
これにより、顧客は自分に合った製品を見つけられるだけでなく、特別なケアを受けていると感じ、ブランドへのロイヤルティが高まりました。
2. 「承認欲求」に基づくインスタグラム戦略
【インサイト】
多くの女性は、見た目を良くすることだけでなく、他者からの承認や称賛を求めています。特にSNSでの「いいね!」やフォロワーの増加を通じて自己肯定感を高めたいという欲求があります。
【成功事例】
ある美容サロンは、インスタグラムで「Before & After」の画像や顧客の声を積極的にシェアし、フォロワーと共に美の変化を祝うコンテンツを提供しました。
これにより、顧客はサロンでの施術結果を自慢し、サロンのブランド価値がSNSを通じて急速に拡散されました。
3. リッツ・カールトンの「個別対応」サービス
【インサイト】
高級サロンに通う顧客は、特別扱いされることで自分が「特別な存在である」と感じたいという欲求があります。
【成功事例】
リッツ・カールトンのスパは、顧客ごとにカスタマイズされたトリートメントメニューを提供し、個別に対応することで、顧客は自分が特別扱いされていると感じました。
このアプローチは、顧客の満足度を高め、リピート率を向上させる結果となりました。
4. 「リラクゼーション」と「ストーリー」を組み合わせたプロモーション
【インサイト】
忙しい日常からの一時的な逃避を求める顧客は、ただリラックスするだけでなく、その体験を特別な物語として楽しみたいと考えています。
【成功事例】
あるサロンは、リラクゼーションをテーマにした映画や物語にインスパイアされたトリートメントメニューを提供し、その世界観をサロン内で再現しました。
顧客は施術を受けながら、その物語の主人公になった気分を味わうことができ、特別な体験を楽しむことができました。この戦略により、サロンの認知度と顧客満足度が向上しました。
5. 「自然体」をテーマにした広告キャンペーン
【インサイト】
一部の顧客は、過剰なメイクや美容整形に抵抗を感じ、「自然体の美しさ」を追求したいという欲求を持っています。
【成功事例】
ある美容ブランドは、自然な美しさを引き出すことをコンセプトにした広告キャンペーンを展開しました。
モデルには一般の人々を起用し、加工されていない素顔の写真を使って「ありのままの美しさ」を訴求。
このアプローチは多くの共感を呼び、ブランドの信頼性と顧客層の拡大に貢献しました。
インサイトを学んで感じたこと
私がマーケティングにおける『インサイト』を学んで感じたことを共有しておきます。
解釈を間違えやすい
『インサイトとは』と調べると
『購買意欲の核心やツボ』
と出てきます。
これだと潜在ニーズと同じ解釈になってしまうことが原因でした。
私が現役のマーケッターの方に聞いた内容で、1番分かりやすかったのは
『本人すら気がついていない問題を解決する手段』
身近のもので考えてみると
『鍵がキーレスに変化』
これはまさにインサイトが反映されたものだと思います。
鍵穴に鍵を差し込んで使っていても
私を含めほとんどの人が『不便だな』なんて考えていなかったでしょう!
しかし実際は
『カバンの中で鍵を探している時間』
『コツが必要な鍵穴』
よく考えてみるとストレス!!(笑)
それを解決したのがキーレスの鍵ですよね。
車も家もカバンの中に鍵があれば
ワンタッチで鍵を閉めることが可能になりました。
私は自分の身近にある商品で考えてみると、インサイトを理解することが出来たので、皆さんも試してみてください。
企業のインサイト事例を集めた記事
カスタマーインサイトを簡単に理解できる代表的な10個の事例
引用:DATA VIS LAB
インサイト実践企業の例
引用:centou
コンシューマーインサイトの成功例(6)
引用:CiNCE
最後に
今回は、マーケティングにおけるインサイトについて、私の経験談を交えて解説しました。
事例をたくさん見て、潜在ニーズをインサイトの違いをしっかり理解することが、とても重要だと感じています。
すでに自社サービスや商品を持っている方は、差別化やCX向上に向けた取り組みの一環として、インサイトを活用してください。
また次回の記事でお会いしましょう。